イギリスでは2021年10月4日より、これまでGreen/Amber/Redで諸外国のコロナリスクを定義していたTraffic light systemが廃止され、Red List国もしくはそれ以外という分け方のみになりました。
また2022年1月7日からは入国後の隔離措置が不要となり、イギリスへの入国のハードルはかなり下がったと言えます。
今回2022年1月時点の状況をふまえて、コロナルールの元でイギリスからヨーロッパ諸国へ旅行する際のポイントについて、私の経験も交えて解説していきたいと思います。
この記事を読むと、次のポイントを知ることができます。
①イギリスから旅行可能な国
②イギリスからヨーロッパ に旅行する際のルールと必要となるテスト
③おすすめの海外旅行保険
コロナに関する旅行ルールに関しては日々更新されておりますので、必ず最新の情報を確認頂き、最終的にはご自身の判断で行動するように心掛けて下さい。
イギリスから旅行可能な国について
イギリス在住の方が旅行可能な国はどのような国があるのでしょうか?具体的には、次の2つの条件から旅行先の国は絞られると思います。
- イギリスが旅行先として安全と認めている国
- イギリスからの旅行者を受け入れている国
イギリスが旅行先として安全と認めている国
コロナのパンデミックを受けて、イギリス政府が海外渡航ルールとして運用していたのが、”Traffic light system(信号機システム)”ですが、こちらは2021年10月4日より廃止されました。
現在ではコロナのリスクが高いRedリスト国のみが特別なホテル隔離措置が必要とされています。
Redリストの国へはイギリス政府は渡航を推奨しておらず、且つイギリス入国後は非常に高額なホテル隔離が必要となる為、必然的に旅行先としてはRedリスト国以外の国が対象となります。
公式には、こちらのイギリス政府のページを参照して下さい。
また、Foreign, Commonwealth & Development Office (FCDO)が220の国を対象にコロナだけではなく政情なども含めて旅行のアドバイスを発表しています。
後程紹介する海外旅行保険では、FCDOが渡航を推奨していない国は保険の対象となりませんので、旅行先の国を選ぶ際には必ず確認しましょう。
イギリスからの旅行者を受け入れている国
旅先の国がイギリスからの旅行者を受け入れているかどうか、また入国後のルールはEU加盟国であっても国毎に対応は異なります。
例えば2021年8月現在、スペインやギリシャはワクチン接種完了者もしくは入国前テストで陰性であれば隔離不要で受け入れている一方、イタリアやノルウェーなど例え陰性やワクチン接種済みであっても入国後の隔離を義務付けている国もあります。
この対応は日々変わるので、最新の情報を調べる必要があります。
例えば先程説明したFCDOの国別のページでは、各国のイギリスからの入国者への対応と、その国の公式情報へのリンクも確認ができます。
一方旅行先を探すのに、全ての国のページをそれぞれ確認するのも大変です。そこで、国別に一覧で対応をまとめているサイトを紹介します。
MoneySavingExpert ・・・”Foreign Office(FCDO)の渡航推奨状況”、”接種完了者/未完了者の渡航時ルール”にの状況が国別に一覧にまとまっていて分かり易いです。主要国のみなので、情報が掲載されていない国もあります。
またコロナの感染拡大レベルがECDCのサイトで公開されており、国・エリア別に色分けされていて分かり易く、こちらも渡航先を選ぶのに役立ちそうです。
イギリスからヨーロッパ に旅行する際に必要となるテスト
今回、イギリスからRedリスト国以外の国への渡航で必要となるテストについて解説します。
この条件でイギリス国外に渡航した場合に適用されるルールは、次の通りです。
イギリス入国前テストの実施(2022年1月より不要)- イギリス入国後2日目(Day2)テストの実施 (2022年1月9日よりLateral Flow(抗原検査)も可)
テストで陰性が確認できるまで、自己隔離(2022年1月より不要)
それでは、必要となるテストについて解説していきましょう。
イギリス入国前テスト(現在は不要)
イギリス入国前に必要となるテストについては、政府のページで案内されています。
この説明によると、テストの条件は以下のように定められています。
- イギリスに到着する2日前以降に実施
- 旅行を開始する場所、もしくは旅行中の国で実施
- 旅行が2日以内であれば、出発前にイギリスで実施することも可能
- イギリス入国には陰性の結果が必要
- テストを実施していない場合は、£500の罰金を取られる可能性がある
- NHSが提供するテストは利用不可
そして、認められているテストの種類は次の3つです。
- a PCR test(PCRテスト)
- a LAMP test(LAMPテスト)
- an antigen test, such as an LFD (lateral flow device) test (ラテラルフロー含む抗原テスト)
この中でも抗原テスト(ラテラルフロー)は検査キットを用いたセルフテストで、30分程で結果がわかります。また料金もPCRやLAMPテストと比べて安価です。
旅先の国でテストができる場所を探すのは大変ですし、実際移動してテストを行い、結果を待つのは旅行中の時間を消費してしまいますよね。
そこで、私のおすすめはイギリスのプロバイダから抗原検査のセルフテストキットを購入して、旅先に持参して自分で実施するという方法です。
これですとホテルの部屋などで自分で実施でき、場所や時間に縛られることがありません。
£30以下でセルフテストキットを提供している会社がいくつかあるので、こちらで紹介しておきます。
プロバイダ | 料金 | 備考 |
---|---|---|
C19 Testing | £29 | ・テスト日の事前予約は必要無し ・イギリス国内は購入翌日に配送してくれる |
Collinson | £23 | ・ヒースロー空港などでPCRテストを提供しているプロバイダ ・購入時にコード:ejh2021を適用 ・"Green Arrivals"もしくは"Amber Arrivals"のカテゴリからUnsupervised Antigen Self-Testを選択した場合の価格 ・テスト日は事前予約制で一杯の日も多い |
Chronomics | £28 | ・テスト日の事前予約は必要無し ・キットの発送や証明発行が遅いという口コミもある |
こちらを申し込むと、抗原検査のキットが送られてきて、自分で検体を採取して検査キットに掛けます。すると30分以内に結果が判定し、そのキットの写真を会社に送ることで、後程結果の証明書がダウンロードできるようになる仕組みです。
そして検査はイギリス到着の2日前から可能なので、2日以内の旅程であればイギリス出発前に検査が可能です。現地で陽性となって旅先で隔離するよりリスクは低いので、フライト前に実施するのをおすすめします。
イギリス入国後2日目(Day2)テスト
帰国後2日目のテストは政府指定のプロバイダから選ぶ必要があります。ただ2022年1月からはLateral Flow(抗原検査)も可能ですので、安価でセルフテストキットで結果がすぐわかるのでおすすめです。
こちらのページで政府が公認しているテストプロバイダが一覧となっています。
2022年2月11日より、英国入国に関して2回のワクチン接種が完了していれば一切の検査は不要、また隔離も不要なのでPLF(パッセンジャーロケーターフォーム)の入力のみで入国が可能となります。
子供のテストの必要性について
また18歳以下の子供については、必要となるテストの種類が異なり、次のようになります。
- 4歳以下:検査不要
- 5~17歳:ワクチン2回接種が完了している成人のルールに準じる
最新情報はこちらのイギリス政府のページでご確認ください。
イギリスおすすめの海外旅行保険
コロナ禍での海外旅行保険の意義
自分は今まで旅行保険をつけた事はありませんでしたが、コロナ禍の旅行で予定外のキャンセルや滞在短縮・延長のリスクが高いので、今回の旅行で検討しました。
コロナのパンデミックを受けて、どの旅行保険もコロナで陽性となった場合に、医療費やホテル等のキャンセル料、滞在延長に伴う費用等に対する補償を備えています。
保険のタイプ
イギリスの保険代理店が提供する海外旅行保険には、
- 旅行毎に掛けるシングルタイプ
- 1年間有効のAnnualタイプ
が設定されており、シングルタイプは数日の旅行であれば£10以下で加入できますので、是非検討してみましょう。
注意点として、基本的にイギリスに永住している人を対象にしているのですが、イギリスに半年以上住んでいて、且つGPの登録が6ヶ月以上あれば対象となるケースが多いようです。
また旅行の頻度が多い人はAnnualプランがお得ですが、その場合は保証期間の終了日まで有効なビザを持っている事が条件となっています。
おすすめのイギリスの海外旅行保険
保険代理店毎に沢山の料金プランがありますが、色々内容を比較するとAXAが提供している旅行保険が対象が広くて良さそうでした。
このAXAの旅行保険は、複数の保険代理店で取り扱いがありますが、その中でも保険料が安いのがcoverwiseでした。
例えば大人2名で3日間のヨーロッパ旅行の保険を見積りすると、次のプラン内容となります。
万一病気やケガで医療を受けた際のカバーは£20,000,000、キャンセルした際の費用などもプランによりますが£1000以上カバーされます。
但し適用する際には、Excess(免責)額は自分で支払わなければならないので、その点は注意しておきましょう。
実際私は”Bronze”プランを加入して旅行に行きました。
更にcoverwiseはキャッシュバックサイトのTopCashbackで20%台の大幅還元をやっているので、こちらを経由すると更にお得に加入することが可能です。
キャッシュバックサイトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
忘れずに!イギリス出国・入国時の手続き一覧
いかがでしたでしょうか。実際必要なプロセスをまとめると、イギリスからのヨーロッパ旅行も少し現実味が沸いてくるのではないでしょうか。
最後に、私が実際にイギリスからヨーロッパAmber国に旅行する際に行った手続きを順番にまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。
出国前
- イギリス入国前テストの予約
- イギリス入国後2日目(Day2)のPCRテストの予約
- 海外旅行保険の加入
- 旅行先の国のパッセンジャーロケーターフォームの記入
- ワクチン接種パスポートの発行(NHSアプリで入手可。空港カウンター等で提示)
旅行中
- イギリス入国前テストの実施(旅行が3日以内の場合は出国前でも可)
- イギリスのパッセンジャーロケーターフォームの記入(イギリス入国48時間以内)
帰国後
- イギリス入国後2日目(Day2)のPCRテストの実施
- 陰性結果が出るまでは自己隔離
コロナに関する旅行ルールに関しては日々更新されておりますので、必ず最新の情報を確認頂き、最終的にはご自身の判断で行動するように心掛けて下さい。
コメント
丁寧な記事ありがとうございます。
2点質問があるのですが
①イギリス入国前の抗原検査を海外で実施する際、海外からどのようにサンプルを提出するのでしょうか?
②入国後のテストについてですがUKの公式のサイトで確認してもPCRのみという記載を見つけられないのですが確認元を教えていただけますか?
質問ありがとうございます。それぞれ回答します。
①抗原検査の場合は、自身で採取したサンプルを検査キットに入れることで、その場で結果が判定されます。そしてその写真をプロバイダに送ることで、証明書を発行してくれます。
②Day2もしくはDay8は政府が指定するプロバイダを利用しなければならないのですが、そのプロバイダの要件の中に詳しくは記載されています。
https://www.gov.uk/guidance/testing-on-day-2-and-day-8-for-international-arrivals#minimum-standards-that-apply-to-day-2-and-day-8-tests
「17. Use of tests that meet minimum performance characteristics」の中で、”a laboratory with a UKAS accredited SARS-COV-2 RT-PCR method, or an ISO15189 or ISO/IEC 17025 accredited laboratory”という条件とのことで、少なくともセルフでの抗原検査ではなく、ラボで判定した結果でなければならないと指定されています。
①良いですね。ポルトガルに行くのですがこの方法使います!
②なんか、微妙な感じですね
政府指定のプロバイダーサイトから飛んで多くのプロバイダーが2日目の抗原検査のみをイギリス入国後のテストキットとして出してますので勘違いする人も多いような気がします。
アドバイスありがとうございます。表現を修正させて頂きました。